百龍天梯 天空歩道-2

更新日:2017年09月15日
これ、足がすくまない方がおかしいでしょう。
 さて、石牛寨から北西に300キロにある張家界大峡谷にも、昨年、ガラス橋「スカイウォーク (Skywalk)」が開通しました。米国の大ヒット映画「アバター」の惑星パンドラは、この張家界の絶景からインスピレーションを得たとして話題になりましたが、2つの大峡谷にある断崖に渡したガラスの橋は、谷橋面から谷底までの高さが300メートル 全長430メートル、幅6メートルを約99枚の透明ガラス板りのみで作っており、高さ、全長とも世界一と認定されています。
 このガラス橋は、厚さ五センチの航空宇宙分野で使用される最新複合素材ガラスを三枚重ねた強化ガラスが使われているため、一度に800人渡ることが出来るとしていますが、張家界当局はこのガラス橋の安全性をアピールするため、20名のスタッフに大型ハンマーでガラス板破壊に挑戦させたり、橋の上を車で走行するなど、数々のメディアに向けた熱心なピーアール活動に取り組みました。また、ファッションショーやバンジージャンプなども開催するとしていましたが、特にバンジージャンプは、マカオ・タワーの高さ233メートルの記録を抜き、世界で最も高い場所からのバンジージャンプだと謳っていました。
 この橋は2013年に建設が始まり、2.5億元(約38.5億円)もの建設費をつぎ込んだそうで、手掛けたのは2010年の上海万博のイスラエル館の設計者で同国の建築家、ハイム・ドタン氏です。前日予約が必要で、通行料金は138元(約2,100円)ですが、スカイウォークを渡ることが出来る観光客は一日8,000人に限定されていました。そして床のガラスを傷つけないためにカメラや自撮り棒の使用、ヒールの細い靴の着用は禁止され、特殊な靴に履き替えて通行するそうです。
 ところが、世界最長のガラスのつり橋「スカイウォーク 」はオープンして僅か10日余りで営業を停止しました。国営新華社通信は、当局者の話として「内部システムの改良」が行われると発表しましたが、詳細や再開時期については明確な言及をしていません。米国CNNテレビは関係者の話として、ガラスは問題ないと強調しているものの、一日当たりの制限をはるかに上回る観光客が殺到したのが原因と報じています。不測に事態が起きてからでは遅いですが、楽しみにしていた観光客は拍子抜けしたことでしょう。
←前へ 目次 次へ→