笑いの漢字-2
更新日:2025年03月15日
●左から李義府慨述圖と福笑い(おかめさん)
李義府(614年〜666年)は瀛州饒陽県の人で、中国・隋末から唐初にかけての政治家です。武后の政敵である反対派・長孫無忌、チョ遂良らを失脚させたことでも知られています。義府は笑みを絶やさず人と接するため、表立って義府を嫌うものはいなかったのですが、思いもよらぬ画策に騙され、制裁を受けた者も多かったようです。「笑中有刀」は、うわべは優しそうだが、内心は陰険で、人を傷つけ陥れようとしていることのたとえで、義府の人柄と行いを言い表したものとして伝えられ、上辺は柔らかいのに物を害することから「李猫」とも言い伝えられています。
また「笑門来福(しょうもんらいふく)」という四字熟語がありますが、「笑う門には福来たる」で知られていると思います。しかし中国にはこの四字熟語はありません。実は「笑門来福」の由来は日本の「福笑い」にあると知って驚かれる方が多いのではないでしょうか。ここでいう「門」は出入口の門ではなく、家族や一族を指します。目隠しをして顔のパーツを作り上げるものの、おかしな顔となって家族で福笑いする遊びは、「家族の笑い=幸せ」を表わします。そして「笑いは百薬の長」とあるように長寿に繋がると古来より信じられてきました。笑う頻度と死亡や病気のリスクに関する研究を行っている山形大学の研究データで、笑いは心と体にいい脳内物質が分泌され、ストレスホルモンが抑制されるとあります。
いつも明るく笑い声の絶えない生活を送って、自然に幸福がやって来るようになりたいものです。