漢字表記傑作編

更新日:2025年09月01日
漢字表記の看板

●漢字表記の看板

 嚶嚶誌が創刊されて間もなくの頃、筆者は「漢字表記」について日本篇と中国篇について執筆しましたが、今月号では「傑作篇」をご紹介したいと思います。改めて外来語の漢字表記に関して、基本的には日中、同様の対応となっており、
◇1つ目は、音を漢字の音に起き変える表音表記
◇2つ目は、意味を漢字の表意文字に置き換える表意表記
◇3つ目は、表音と表意の複合表記
です。

 ポルトガル人が種子島に鉄砲を持ち込んだ1543年、日本は室町時代末期でした。欧米諸国と比してポルトガルとの付き合いが最も長いのが日本であり、漢字表記された外来語もポルトガル語からのものが多いのです。義雷吾の漢字表記について殆どが表意表記ではなく、読みに合わせて起き変える表音表記でした。いわゆる「当て字」ですね。しかし、次にあげるものは表音と表意の複合表記であり、上手くマッチした傑作と言えます。合羽(ポルトガル語)…かっぱ、歌留多(ポルトガル語)…かるた、襦袢(ポルトガル語)…じゅばん、金平糖(ポルトガル語)…こんぺいとう、倶楽部(英語)…くらぶ

 次号ではみなさんもご存知の日本人で、この複合表記の名人がいます。その彼が作り出した漢字表記傑作編をご紹介し、使い勝手や視認などさまざまな問題から、わが国公文書で外国語・外来語を使うルールが出来ます。是非、お楽しみに。

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