本サイト読者のなかには新学期をお迎えの方も多いと思いますが、今月は最も身近な筆記具について考えてみたいと思います。
学生さんが日常的に使う筆記具シャープペンシルは、実は昨今、台湾の大手電子機器メーカー・鴻海(ホンハイ)精密工業に吸収されたシャープが作った和製英語です。本来は「Mechanical Pencil」ですから、中国語では「自動鉛★」と訳されています。英語と違って漢字は表意文字ですから、いくらでも別名が作れますので、なかには「鉛芯★」や「活芯鉛★」、「螺螺絲鉛★」などもあり、非常に紛らわく感じることもありました。
かといってボールペンは「球★」にはならず「原子★」となります。ほかに「球尖★」というのもあるようですが、「綱球★」にはなりません。ちなみに「綱球」はパチンコのことです。いつものように脱線しますと、マジックペンは「油性★」、ホワイトボードに使うペンは「白板油性★」、蛍光ペンは「蛍光★」です。学校から消えてしまいましたが、チョークは白い粉で出来ているので、昔の人は「白墨」と言いましたが、中国では一般的に「粉★」です。
さて、筆者は敬天齋主人という名前で毎月連載しておりますが、このペンネーム、中国語では「★名」といいます。ペンでご飯が食べれるようになれば職業化して「筆耕」となります。耕すとは、まるでお百姓さんみたいですが、このあたりの「★」は分かりやすいですね。書畫作品が印刷でなく実際に書かれた作品であるとき、日本語で「肉筆」や「真筆」と書きますが、中国語では「☆★」と書かなければなりません。とくに若い男性に「肉筆」というと「お○ん○ん」になりますから注意が必要です。おっと、下ネタになってしまいました。
次号では「筆の四徳」を参考に、筆の特性を生かして使うことの大切さについてお話ししたいと思います。
☆…「立」の下に「木」
★…竹冠に「毛」