白色★★(白色標籤:白タク)-2

更新日:2018年12月15日
大阪府警による取り締まりで、関空では最近は見掛けなくなりました。
 中国でも同様に、数年前から白色標籤は身近なサービスとして都市部を中心に定着しています。さらに急速にキャッシュレス化が進む現代中国では、「微信支付(WeChat Pay)」やアリババグループが提供する中国最大規模のオンライン決済サービスで、国内で四億人超もの利用客がいる「支付宝(Alipay)」によるモバイル決裁が普及しています。要するに、日本側の対応が全く追いつくことが出来ないのが実態と言っても過言ではありません。
 しかし、有償で客を運ぶには二種免許とともに国土交通省の許可が必要で、白タクは道路運送法違反(無許可一般旅客運送事業経営)にあたり、最高罰則は懲役三年です。正規のタクシーと違いプロとしての運転技能の問題のほか、任意保険加入も不確かであり、万が一、交通事故を起こした場合の補償が不十分になる可能性もあります。また、乗車代金は中国で決裁を行っているため、売り上げに対する納税も日本で行われていません。
 何より、正規のルールで順番待ちしている地元のタクシー運転手の仕事が奪われるなど大打撃を受けています。この事態を受け、本格的な摘発に乗り出したのが大阪府警で、中華系航空機の到着に合わせて日本語と中国語で「白タク行為は犯罪」や「自家用車による無許可営業は道路運送法違反」などと書かれたチラシを旅行客らに配布していますが、現行法律では利用者に対する罰則はありません。仮に乗車中に検挙されたとしても参考人として事情を聴取される程度なので、罪の意識はないと言っていいでしょう。それでも地道な確認作業を繰り返した同国際捜査課は、訪日中国人客を相手に無許可でタクシー営業をしたとして、在日中国人四人を逮捕しました。この逮捕以降、関空での白タク行為は減少し始めているようですが、根付かせないよう引き続き警戒と取り締まりが必要だと思います。
 この問題を根本的に解決させるには、日本社会の実情に合わせる意味でも、IT、金融、交通行政、法律家、警察、タクシー業界など、広範囲の専門家に加え、中国の先進性事情などに詳しい人の知恵や協力が欠かせないと思います。「法あれば策あり」の中国に対し、禁止する範囲と許容する範囲をきちんと決める必要があるでしょう。
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