不管三七二十一(何が何でも)−2
更新日:2015年06月15日
習主席は、お盆を持って客の列に並び、「豚ネギ肉まん」など肉まん類六個と「レバー炒め」などを注文、自ら21元(約360円)の会計を済ませ、一般市民と一緒に食事をしました。通常、中国の国家指導者が客の列に並ぶこと事態異例で、経済格差の拡大や共産党幹部の腐敗などによる社会の不公平感が広がるなか、自ら「親民主席」として庶民派路線をアピールし、党のイメージ回復に強い影響を与えようとする狙いが指摘されています。
国家主席の来訪を受けた慶豊包子舗の人気は急上昇、また習主席が注文した料理は「主席定食」となり、連日、通常の一〇倍もの長蛇の列が出来ているそうで、まさに習近平さまさまだそうです。
さて、ここにも漢字の国・中国ならではの面白い話があります。まず、訪れた「慶豊包子舗」ですが、清廉潔白を意味する「清風」と「慶豊」は同音で、共産党幹部にクリーン政治を行うよう、そして注文した「豚ネギ肉まん」は貪欲な豚のような幹部はクビ切り、「レバー炒め」の「炒」は解雇の俗語でもあることから、深読みかもしれませんが、習主席の強いメッセージとして見てとれます。
食事代21元は、慣用句「不管三七二十一(出典『戦国策』)」 の「なにがなんでも、わき目もふらずに」というメッセージとして、「幹部は必ず廉潔さを保つべし。違反者は誰であっても粛清する」というメッセージではないかと言われています。
18世紀の清朝皇帝・乾隆帝は、微服(平民の服)を身にまとい、お忍びで街に出て庶民と触れあったという伝説があります。日本の水戸黄門「諸国漫遊」同様、この手の話は好まれますが、習主席も単なる政治的パフォーマンスではなく、本当に国内外からも慕われ、協調性ある国際人になってもらいたいと思います。