徐霞客-1

更新日:2023年03月01日
『徐霞客游記』
 みなさんは徐霞客という人物をご存知でしょうか。
  徐霞客 (1584年1月5日〜1641年3月8日)
  明代の旅行家。江蘇・江陰の人で、号を
  霞客、字を振之とした。裕福な家庭に生
  まれ、生家は代々官僚を出した家柄だった
  が父・徐有勉は仕官せず、地方の有力者と
  交際し、旅行しながら山水を愛でた。
  当時の読書人は科挙の試験に合格するため
  に書物を読んだが、父親の影響を受けた
  徐霞客は、幼少時より地理、歴史などの
  書物を読んだものの役人になるための学問
  は好まず、書物に書かれたことを実際に
  自分の眼で見て確かめるために各地を旅行
  した。
 彼の著作『徐霞客游記』は、260万字に及ぶ日記体で書かれているのですが、現在はそのうち60万字余りが伝わっています。その内容は中国の山野など自然を実際に踏破し、それをありのままの姿を文に記した、ということで画期的な意味を持っています。
 徐霞客は54年の生涯のうち20年余りを各地の旅行に費やしました。彼の足跡は、江蘇、安徽、浙江、山東、河北、河南、山西、陝西、福建、江西、湖北、湖南、広東、広西、貴州、雲南等一六の省にも及びます。要するに東北、西域、四川、チベットなどを除く中国大陸の大半を制覇したと言ってよい程です。
 現在のような交通インフラが整っていない時代ですから、感覚的には移動には船や馬も使ったと思われますが、殆どが彼自身の荷物を背負って徒歩で旅行したそうです。余談ですが、『徐霞客遊記』の書き始めに当たる5月19日は、中国当局により「中国旅游日(中国旅行の日)」に定められています。
 次号では国務院総理だった温家宝氏がいかに徐霞客に高い評価を寄せていたかというエピソード、そして自然科学的踏査のついて触れてみたいと思います。
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