漢字表記(中国篇vol.1)
中国は古くから文明の中心地であったことから、諸外国からさまざまな外来語が入ってきました。そのなかで最も多いのが仏教語で、サンスクリット語を中国語に音訳したといわれる「釈迦」、「菩薩」などはその典型的な例と言えます。
前回の漢字表記(日本篇)でお話しましたが、中国は日本と違い、カタカナもひらがなもありませんので、すべての外来語を漢字に置き換える必要があります。しかし漢字に置き換える作業については基本的には日本と同じです。
◇1つ目は、音を漢字の音に起き変える表音表記。
◇2つ目は、意味を漢字の表意文字に置き換える表意表記。
◇3つ目は、表音と表意の複合表記です。
↑ご存じケンタッキー(左)とマクドナルド(右)
それぞれ例をあげてみますと、
●表音表記 吉他(ギター)、珈琲(コーヒー)、色拉(サラダ)
●表意表記 口琴(ハーモニカ)、三角鉄(トライアングル)、 超級市場(スーパーマーケット)
●複合表記 可口可楽(口に良い、楽しめる・コカコーラ)、百事可楽(いつでも良い、楽しめる・ペプシコーラ)、電脳(電気製品の脳みそ・コンピュータ)などがあります。
現在の中国は改革解放政策をとってから、世界中の情報が入り乱れておりまして、漢字表記も当初から変化してしまったもの(コンピュータは当初「計算機」と表記されていました)や、ナイスな表記のモノも結構あります。海外の企業が中国に進出する際、社名や商品の表記は表音表記が多く、奥廸(アウディ)、福特(フォード)がその例です。マツダが松田ではなく、馬自達(馬力で到達する)の表記にしたのは笑える例です。そのほかには、良い性能「佳能」(キャノン)や、先頭を行く「先鋒」(パイオニア)があり、社名はやはりインパクト、覚えやすいのが一番のようです。 |