敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

誤解(vol.2)

 今回は前回に引き続いて「誤解」がテーマです。
  初めて中国に行った大阪の女の子が「どこに住んでいるの」と聞かれて、「私住我孫子」と書いたところ、先方の中国人が「自分はバカにされているのか」と思ったそうです。そりゃそうです。「私住我孫子」を訳しますと「私は孫と住んでます」になってしまうからです。大阪と書かずに「河内」なんて書いてしまうと、日本人じゃなくベトナム人と間違われます。「河内」はハノイの漢字表記です。
  調子に乗って脱線します。日本人がやけくそになった時、よく「ふて寝」すると言いますが、これは「ふてくされて寝る」意味なのは、先刻承知のことでしょう。ところが、中国人に「昨日旦那と喧嘩してふて寝した」なんて言うと、まず先方はびっくりすると思います。その理由は「ふて寝」を漢字で表記すると「不貞寝」になるからです。つまり不倫したと解釈されてしまうわけです。
 また中国の書道家から作品をプレゼントされて、筆談で「大変有り難う」のひらがなだけ取って「大変有難」と書いたところ、先方が作品を書き直したという話があります。「大変有難」を訳しますと、「大いに問題がある」になってしまいます。正しくは「非常感謝」です。 日本を旅行する中国人が、旅館の仲居さんに案内され、「太平の間」に通され大騒ぎしたなんて話もあります。「太平間」は中国語で「霊安室」を意味します。そんなところに泊まりたくないですよね。
 以上、たくさんの作り話(いくつかは本当の話です)をお話しました。中国語を話せない人にとって、筆談は重要なコミュニケーションの方法ですが、漢字表記による誤解に注意してくださいね。
 では次回をお楽しみに。