【假的(ジャーダ・ニセモノ)】VOL.1
●秀水街店舗内(左)とその裏にあるニセモノ通り。
中国に「茅台酒」という酒があります。「汾酒」や「五粮液」などとならび、中国では最も有名な最高級酒のひとつです。少し前になりますが、ある調査によると巷の宴会で使われている「茅台酒」の85%がニセモノであるというショッキングな記事が新聞に発表されました。高いお金を払ってミセモノのお酒を呑まされるのは馬鹿馬鹿しいと思いますが、製造元の被害はさらに深刻でしょう。その遺失利益や信用問題は莫大なものになると思われます。
日中国交回復の当時、茅台酒の一本の値段は四元程度だったのに、今では百倍近くの380元。しかし北京で最もポピュラーな「二鍋頭酒」は当時5元だったのが、今は約3倍の17元。高級酒のニセモノなら儲けは大きいのかと思いますが、ところが実はこの安物(?)の二鍋頭酒にもきちんと大量のニセモノが市場に出回っているのです。
一般的にニセモノとは、商標権侵害、意匠権(デザイン)侵害、特許権侵害、著作権侵害の模倣製品とされています。中国語で精巧なニセモノ、つまり商標も意匠も特許も侵害したデッドコピーを「假冒(ジャーマオ)」、そっくり真似をした商品に自社ブランドとしているものを「倣冒(ファンマオ)」といいます。中国当局が取り締まりや権利保護に乗り出すのは假冒の方であって、倣冒の方は地方保護主義や消費者保護が優先されており、なかなか取り締まってもらえないことが裁判の結果から明白になっています。
次号ではWTO加盟後の中国画が、偽ブランド販売を放置していると避難され続けた元凶で、つい最近ついに取り壊された「秀水街」についてご紹介することにします。
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