敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【假的(ジャーダ・ニセモノ)】VOL.2


●よ〜く見てください。「TAYOTA」ですよ〜。

 実際ニセモノ販売を行っている店員に『当局の取り締まり』について尋ねると、「WTO加盟後、毎日のように公安がチェックしにくるので路地裏で商売している」ということでした。このようなことに遭遇すると中国人の著作権意識も改善されてきたのかなと考えるのですが、実際は決してそうではありません。中国当局がニセモノ取り締まりに指定する「重点五品目」、つまり食品、農業資材、薬品、自動車、綿花は、健康に危害が及ぶことから優先的に取り締まるようです。そのせいかローレックスの時計やルイ・ヴィトンのバックなど、いわゆる「ブランド品」のニセモノとなると、その専門店街もが存在しているのです。しかも東京上野の「アメ横」レベルの大規模なレベルで、北京市内の「秀水街」や上海市中心の「襄陽路」などがニセブランド販売では有名な専門店街です。
 筆者も興味本意で行ったことがあるのですが、その雰囲気や商品の多さには驚かされます。まさに「ニセモノ市場」という表現がピッタリで、いかにも妖しい商品や雰囲気で溢れていました。複雑ビルに入り組んだ迷路の左右には小さな店が密集しており、店内を物色していると「ヴィトンあるよ。」というカタコトの日本語で呼び止められました。ニセモノを買いあさるのは欧米人や日本人で、所々中国人も見かけました。毎日のように日本人が訪れるので、とくに日本人が好むようなブランドをちゃんと最前列に飾ってあったのが印象的でした。
 国家質量技術監督局はこのようなニセモノ取締活動を2001年の最重要プロジェクトとして取り上げ、予算を前年の100万元から150万元に増額するなど積極的に取り組む姿勢を見せました。その背景には昨年の中国WTO加盟があるのですが、専利法、商標法をはじめ知財関連など複数の法律改正など関連法改正も急ピッチで進められています。
 しかし筆者に言わせれば、庶民レベルでは中国人も日本人も、著作権意識は「どっちもどっち」という感じがしています。中国を訪れる多くの日本人は「模倣品はケシカラン!」と言いながらも、実際はコピーCDやDVDをお土産で買っていますし、安く買えたと自慢しています。中国で流通するCDの90パーセント以上は不正コピー商品だそうです。「千と千尋の神隠し」や「女子十二楽芳」のコピーも売られていました。
 みなさん、安いけどじっと我慢ですよ〜。