敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【臘八粥】VOL.2


●中国のお粥、美味しそうですネ。

 清代の富察敦崇が著した『燕京歳時記』には、臘八粥に関する詳細な記載があり、食材や調理法に関することや、仏様や祖先への祀り方、親類友人に贈るのに昼をすぎてはならないなど、その内容から清代における民間臘八説の様子を窺うことができます。
 最近ではさすがにこれほどまでのたいそうな習慣を執り行うことはないようで、ただの祭日に行なわれる風習として臘八粥を食べる家庭があるようです。最近では中国のスーパーの穀物売り場などで、500グラム3元(38円)くらいで、缶詰タイプだと2.5元(32円)くらいで販売されていますので、機会がありましたらみなさんも一度購入してみてください。
 さて「臘八節」の後、陰にあたる12月23日は、過小年(グウシャオニエン)にあたり、前年から台所に貼っていた古い「大竈王」の年画を燃やし、新しい年画に貼り換えなければならないのですが、この風習を「祭竈」(ヂーザオ)といいます。毎年春節前になると、街中のあちこちのお店で大竈王の年画が売られていて、どれを買おうかと迷ってしまいます。
 そもそも昔は「祭神」と言われたこの大竈王とは玉皇大帝から派遣された神様のことであり、一年間各家庭に留まって天の神様にこの世の生活行動を報告するため天界に戻ると言われています。人々は玉皇大帝に悪口を報告されないよう、神前に料理や饅頭、白飴を供え、年画に描かれた大竈王の口に飴まで塗るのです。
 まさに「地獄の沙汰も…」と思ってしまう筆者です。