敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【新報(新聞)】VOL.1


●朝刊に目をやる人たち

 毎日の出来事やさまざまな様子を伝える新聞、中国では「新報(報紙ともいいます)」といいますが、日本と違い発行しているのは全て中央か地方の党・政府機関です。近年の改革開放に伴い、文化大革命中には48種類しかなかった新聞が、2002年には2137紙を越えたと発表されるほどに急成長を遂げました。
 中国でアメリカの「ニューヨークタイムズ」やイギリスの「ザ・タイムス」に匹敵するのは「人民日報」で、発行部数は二百万部を越えています。これには理由がありまして、政府機関や学校・企業などが半ば強制的に団体購入をさせられているためで、殆どの人は職場に行けば人民日報や党・政府機関誌は読むことが出来ます。
 日本同様中国でもテレビの影響力は絶大で、その普及率は全人口の93パーセントにまで達していますが、新聞の普及率も同じく40パーセント程度もあるということは、いかにも活字好きの国民だと納得させられます。
 中国の新聞は、「大報(機関紙)」は指導者の動向や党・政府の政策、方針を宣伝することを主な任務としているもので、そのため中国の新聞と言えばお堅いイメージのものを想像する方が多いのですが、実は意外にもそんなことはありません。大報に対して「小報(都市報など)」といわれる、かなりエンターテイメント性の高い作りの新聞もあるのです。例えば夕刊フジのようなタブロイド版で、スポーツや芸能関係を中心にしたものも数種類発行されていますし、求人広告を中心としたタブロイド版で、かなりボリュームのある情報誌も発行されています。
 中国には日本のような新聞の宅配制度は根付いていないのですが、最寄りの郵便局で定期購読を申し込めば自宅まで配達してくれるらしいです。しかし団地やアパートの場合、他人のポストから勝手に盗む人が多いらしく、結局は「報刊亭(売店)」で直接購入するケースが多いようです。ですから街のいたる所の報刊亭で新聞が売られています。駅の近くなどでは売り子のおじさんやおばさんに声を掛けられた経験がある方もいらっしゃると思います。
 ちなみに雑誌のおいているところは「書報亭」、上海では「紅亭」と呼ばれている、まさに街角のキヨスクのような存在は、中国人民と活字を結ぶ重要な窓口と言えるでしょう。