敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【筆仙(こっくりさん)】VOL.1

 
●こっくりさん(左)と「ウイジャ盤」

 筆者が小学生のころ大流行した遊びに「こっくりさん」があります。漢字で書きますと「狐狗狸」さん、もちろん何の科学的根拠もない遊びなのですが、動物の霊を使った交霊術のひとつとされていました。このこっくりさんが昨今の韓流ブームのながれで映画化され、日本でも上映されるようになり、またぞろ第三次ブームがやってこようとしています。
 こっくりさんといえば当時ホラー漫画などで「低級な動物霊を呼びよせる交霊術」などと紹介されたため、術者が未熟だったとか、神経過敏な児童などが突然精神的に異常をきたしたり、自殺したりする事件が続出したことから、学校によってはこっくりさん遊びを禁止するところも多かったように思います。
 こっくりさんの起源は集団ヒステリーを引き起こしたことで知られる「テーブルターニング」や19世紀にイギリスの貴族たちの間で流行した「ペンデュラム」という降霊術にあるようで、そのやり方は「ウイジャ盤」と呼ばれる紙を使った単純な占いだったようです。
 「ウイ」はOui(フランス語のYes)、「ジャ」はJa(ドイツ語のYes)からの造語で、ウイジャ盤には、「Oui」と「Ja」を書き、質問をしながら振り子の反応で占うというものです。日本に伝わった時期は明治時代にまで遡るそうで、実は船乗りが帰国後に遊んでいたものが日本風にアレンジされたとされており、ある意味では由緒正しい占いとも言えそうです。
 こっくりさんのやり方もペンデュラムと同様で、紙に鳥居と五〇音、そして「YES」「NO」を書き、10円玉を3〜4人で押さえて呪文を唱えると「筆仙」(ペンに宿る仙人)と呼ばれる"霊"が参加者に宿って、10円玉が勝手に動き出して自分が悩んでいることや占いなどの質問に答えを導き出してくれるというものです。