敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

古詩・名言(vol.2)

 まだまだ他にもあります。馬煕『開窓看雨』より、「八面玲瓏」の熟語では八方どこから見ても美しい人だと、良い意味に使われていますが、反対の「人面獣心」(漢書・匈奴伝)の熟語になりますと、人の道に外れた悪人とボロクソに言っております。
  うらやましいかぎりの時に使われる「悠々自得(日本では悠々自適)」がありますが、これに対しては、一休禅師の「劫火洞然」といった反対の四字熟語があり、その意図するところは、「人間が生きている時間は少ない。のんきなことを言っていてはいけない」というふうに説いております。
  毎度のことながら脱線しますが、「衆寡不敵」(魏志・張範伝)の四字熟語では、「多勢に無勢では勝ち目がない、もっとたくさん人を集めよ」と説いております。しかしせっかく集めても「烏合之衆」だったり、「初志貫徹」しようと思ったけれど、気が変わって「朝令暮改」、登り調子で「順風満帆」といきたいけれど、実際は悪いことばかりの「寸善尺魔」、今回のこの原稿も「余裕綽々」と書きたいけれど、もうすでに「疲労困憊」となってきました。何とか書き上げて「面目躍如」といきたいところですが、今回も「愚者一得」の考えとなってしまいそうです。
  皆さんも「切磋琢磨」して、互いに「教学相長」して上達していただきたいと思います。私も「不言実行」したいのですが、根っからのなまけ者でして、いつも「一石二鳥」や「一挙両得」を期待しているのですが、なかなかそういうわけにはいかないものですねえ。
  では次号をお楽しみに。