敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【人民元】VOL.2

 
●ご存知「人民大会堂」

 この状況をみて実際に人民元が切り上げられた場合、人民元の価値が急騰するのではないかと予想する世界中の投資家たちが、人民元建ての金融商品に投資するべく注目を集めています。
 そこで「人民元が大幅に切り上がるとどうなるのか」という疑問が発生しますが、これに関しては我々の身近な例で説明すると分かりやすいと思います。現在人民元は「1元=14.42円(2006年7月31日現在)」ですが、もし人民元が切り上がり、その結果「円安人民元高」に転じたとします。為替手数料などを無視して単純計算しますと、もし100万円を人民元切り上げ前の「1元=14.42円」の時に人民元に交換すれば、約69,348元になりますが、人民元切り上げ後、人民元為替レートが上がり「1元=20円」になったとしたら、そのとき円に両替すると1,386,963円になります。換金するだけで差額として386,963円もの利益が発生するのです。
 一方中国国内における経済状況においても激変が予想されます。この5年間で中国国民一人あたりの国内総生産(GDP)は約50パーセント伸びたと言われており、人民元が切り上がればモータリゼーションを始め大衆消費社会の到来を危惧するエコノミストもいるようです。しかし金融システムが未整備ななかで大幅な人民元切り上げを行なうと、巨額の不良債権を抱えている中国銀行、中国工商、中国建設、中国農業の中国四大銀行が大打撃を受けるのは必死で、新たな為替変動リスク対策構築が急がれるところだと思います。