敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【乾杯バトル1】

  この原稿が出る頃には春雪までもうあとわずかになっています。中国ではお正月の準備の慌ただしさでさぞかしお疲れのことと思います。
  書道家・篆刻家の先生方は中国を訪れる機会が多く、その機会を利用して、しばしば旧知の先生方との交流のために宴会がもうけられるようです。私はそういった席でのいろいろな体験談を先生方からよく耳にします。
  中国における宴会といえば、とてもじゃないけど食べ切れそうもない大皿に盛りつけられた大量のごちそうが運ばれてくるイメージを持たれる方がいらっしゃると思います。これには二つの理由があります。
  一つ目の理由は「食べきる」は「食が尽きる」につながる、縁起の悪い意味合いから避けられるということです。
  二つ目の理由は、きれいに食べてしまわれることは量が足らなかった、つまり「来客に対するもてなしが十分でなかったということを避けたい」ということから、とにかく次から次へと料理が運ばれてきます。
  そこで興が乗ってまいりますと「日中交流のために」、「みなさんの健康のために」、と皆さんもご存知の乾杯合戦が始まるのです。私も幾度となくこの経験がありますが、最悪のパターンはこういった時です。
  「まずいなあ。もう相当飲んでいる」、そういった時は少しだけ飲んだグラスをそっと料理皿の陰に隠すのですが…。 ところが(!)、ところがその隠したグラスを相手側にめざとく見つけられ、またなみなみと白酒を注がれてしまうのです。


  ● 日中乾杯バトル 「もう、勘弁して〜っ」

  ちなみに白酒のアルコール度数は六〇度。半端じゃない強さなのです。こうなってくるともう収まりがつかなくなるのが、中国式恐怖の宴会バトルで、「命がけか!」と思うこともしばしばなのです。
 このような時、皆さんはどのような対策を用意しておられますか? 私の対策は次号でお話いたします。