敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【賀年片(年賀状)】VOL.1

 
●中国のX’masカード(左)と年賀カード

 みなさんにこの原稿をお読みいただく頃は、まもなくやってくるクリスマス、お正月に思いをはせていらっしゃる方も多いかと思われます。中国では「春節(旧正月:1月29日)」が本番とも言えるお正月ですので、現在国内の保険会社や銀行などが、医療保険付きの年賀状や、めでたいデザインをほどこした預金通帳など、正月気分を掻き立てる商品で営業戦略、販売合戦を繰り広げています。
 「お年玉&保険証書つき年賀はがき」は国家郵政局と中国人民財産保険股★(イ分)有限公司とが共同発売したのものですが、抽選参加の権利と医療保険機能がついて販売価格は10元と50元となっています。
 各地の郵政局で発売開始したところ、100万枚以上もの売り上げを達成するなど大変な好評を博しています。この背景には保険業界の規制緩和があるのですが、今年はさらに外資系の新規参入も進むことから、新旧入り乱れての激しい見込み客争奪戦が繰り広げられそうです。
 各社とも見込み客の関心を得るために斬新で楽しい商品開発や供給に勢力を注ぎ、そのような競合がさらなる商品力アップにつながっているようです。
 中国の賀年片(年賀状)といえば全面赤一色に加えて金銀色を使うなど、とにかく目立つ色を用いた絢爛豪華なものが普通なのですが、それが中国のお正月らしさもといえるのでしょう。赤い色には「元気」や「エネルギー」といったイメージと、厄から避けるという願いがあり、いずれにせよ古代より中国人には大変好まれる色です。
 さて中国では唐時代(619〜907年)にはすでに年賀の習慣があり、庶民の間でお互いに「片子」と呼ばれるカードを送っていたようです。そして明の時代・天順年間(1457〜1464年)にはその風習が最も盛んになりました。
 当時の年賀状は縦三寸(約9センチ、横二寸(約6センチ)ほどの短冊に住所や名前、そして「恭賀新禧」などおめでたい言葉を書いて配り歩いたのです。ちなみに中国の年賀状で使われるおめでたい言葉には「新年快楽」「万事如意」「心想事成」「身体健康」「幸福美満」などがありますが、いかにも福が寄ってきそうな言葉ばかりです。