敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【賀年片(年賀状)】VOL.2

 
●中国の年賀カード(左)。参考までに中国のポストです(右)。

 現在中国の年賀状は、日本同様に年賀切手とお年玉つき年賀はがき(賀年有奨明信片)が発行されているのですが、普通葉書より安くなっています。デザインは山水花鳥など絵画の印刷や、切り紙を貼り付けたものなど種類も豊富で、形式はハガキサイズではなく二ツ折形式の「★(カード:上のしたに下)」が主流となっています。
 ただし中国では新暦のお正月より旧暦のお正月「春節」のときの方を盛大に祝うことから、日本のように年末に数百枚も年賀状を一度に送るのではなく、年始回りが「年賀」の定番となっています。ですから年賀状も年末にではなく、春節前に合わせて送る方が多く、よってお年玉付き年賀はがきの抽せんも春節明けに行われています。
 余談になりますが、海外文化を支持する多くの若年層やネットユーザーの影響からか、プライベートではクリスマスや元旦には電子メールや携帯メールで祝う人も増えているようです。 ビジネス社会においても儀礼廃止や経費削減の一環として年賀状削減が見られたとの発表がありました。
 日本人の年賀状に対する意識調査では、「年賀状が届くのは楽しみ」が8割、「日本の習慣として年賀状を残したい」が6割強と、多くの国民が年賀状への思いを持っているようです。
 しかし、一方「電子メールで年賀状が届くとのは失礼と思うか?」という質問には、「全く思わない」と「あまり思わない」の合計が7割近くを占めているとの発表がありました。
 日本と中国では同じ漢字文化圏ですし、12干支も同じですから、中国のサイトで発表されているクリスマスカードや元旦用カード、ウェブカードの中にはそのまま日本で使っても意味が通じるものがあるうえ、国柄のセンスの違いで実際に使ってみても面白いと思うものもあります。
 ただこれからデジタル世代が世の中の中心になっていくなかで、また一つアナログの良さが失われていく淋しさを感じている筆者です。