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【中国老街-3「四合院」】VOL.2


●四合院における本来の庭 (左)と実際の庭

 つい最近、北京に「歴史名城保護工作」というプロジェクトチームが作られ、四合院の改築や改造が進められています。北京の四合院保護地区として、故宮と北京飯店(王府井)の間にある南北の通り「南池子」付近にあった老朽化した建物が取り壊され、替わりに103棟もの新しい伝統的四合院建物が作り直され、大変整然とした奇麗な街並になりました。
 昔からあった建物は31軒、大老木64本、さらに南池子の並木通りも当時の風情そのままに残されています。北京を訪れる機会がありましたら、王府井から歩いて行ける距離ですので、是非南池子周辺を散策されるといいかもしれません。
 さて建て直された新しくなった四合院は一転して新しい設備が取り入れられ、住民はなんとIDカードで出入りするそうです。それでも一戸あたりの平均面積はまだ狭い69平方メートルですが、一階にトイレ、暖房などが完備され、二階が寝室になっているそうです。建物の外観や高さなどに関しては、伝統的な雰囲気や景観を保つための規制がありますが、個々の住居に関しての制限はないそうです。
 南池子は地区毎に保護区の指定を受ける最初のプロジェクトで、今後その他の地区の四合院についても順次文化保護区にするようです。しかし保護するといっても、実際の四合院は本来庭であった部分を不法建築や増改築で埋め尽くしていますし、四合院とは名ばかりの、実は貧乏窟と言ってもいいような平房(平屋)が無数にありますので、住民を立ち退かせて一旦取り壊しでもしない限り、このプロジェクトの完成は出来ないようです。