敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【礼物(贈り物・お土産)】VOL.1


●もらい物の和陶磁器、最近のベストオブ贈り物です。

 中国の友人や知人を訪れる際、どんなお土産を用意するか、非常に頭を悩ますことがよくあります。このことは日本を訪れる中国人も同様のようです。これはビジネスの上にも当てはまりますが、気の効いたお土産はコミュニケーションツールとして大変重要な役割を果たすことがあります。
 しかし日中両国の間には思いもかけない価値観の違いがあり、十分気を使わないと上手く事が進まない一面もあります。日本人の感覚や習慣だけで判断するのは大変危険です。中国人にはどんなお土産を用意すれば喜んでもらえるのかは、相手の立場や価値観の相違、またそのときの流行などで大きく変化しますので、私の経験や友人の話などからお話したいと思います。
 中国で改革開放が始まった当初、つまり1980年頃から我が国の出版物に「中国人がもらって喜ぶお土産」が紹介されるようになりました。電子計算機、ボールペン、トランプなどが写真とともに掲載されていました。中国が急速な発展を遂げた現在、もしそんな古い出版物の情報を鵜呑みにして、今でも電子計算器を贈る日本人がいたとしたら恥をかいてしまいます。
 もし誰が見ても高額で値打ちがありそうなものなら全然問題はないのですが、普通はまず喜ばれません。そのうえ日本人がお土産を渡すとき、気持ちを表す慣用句として、よく「ほんの気持ちです」や「つまらない物ですが」と言います。中国人がお土産を渡す場合は、まず値打ちのあるもの、自分も愛用したいもの、少なくとも高そうなものを送ろうとします。通訳の人にそのまま伝えられてしまうと「そんなに値打ちのない物なんか要らない」と誤解されてしまいますので要注意です。
 次号では礼物のタブーについて触れたいと思います。