敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【礼物(贈り物・お土産)】VOL.2

 政府間の公式行事として政治家が訪中する際、そのお土産として日本の伝統文化を代表する日本人形や焼き物などをプレゼントするのなら問題はありませんが、企業間や個人がお土産を用意する場合は、やはり実用的のものが喜ばれると思います。例えば、毛皮、バッグ、財布、ネクタイ、電化製品などです。また日本のお菓子や饅頭などは好みの問題で好き嫌いが分かれますが、筆者の経験上どうも和菓子を好む人は少ないみたいです。中国が発展途上の頃にはよく中国人同士で和菓子をお土産にした歴史があり、その頃の印象から避けられているという話も聞きます。
 男性へのお土産は、外国製のお酒やタバコは問題ありません。最近中国人でもタバコを吸わない人が増えましたが、自分が吸わなくても、友達に贈ることができますから気にする必要はないみたいです。若い女性へのプレゼントで最も喜ばれるものと言えば化粧品です。日本製化粧品は大変な名碑(ブランド)的価値がありますが、そのなかでも特に資生堂はよく知られています。また中国の男性は女性をとても大切にしますから、男性に「奥様に差し上げてください」と、プレゼントしてもいいでしょう。非常に親しい友達や、日本をよく知っている人へのお土産でしたら、靴下、ハンカチ、シャツなど日用生活品を贈ることで、親しみを表現することもあります。
 さて年配の方への贈り物で最も問題になるのが置時計です。雑誌などに「時計のお土産はタブー」と紹介されていますが、この場合の時計とは腕時計や目覚まし時計ではなく、置時計のことを指しています。置時計の発音は「送終(葬式に送り出す)」と同じ発音です。置時計のお土産をもらったことがある年配の方が「また日本人に葬られた」と話していたそうです。
 日中交流の発展に伴い、中国人も徐々に日本人の習慣を理解するようになりましたので、不要な、または気に入らないお土産をもらってもあからさまに不愉快な表情をされることはなくなりましたが、やはり気持ちのこもった贈り物で円滑な交流になる方がいいですよね。