敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【中国の忌み言葉】VOL.1


●ナンバープレートは縁起を担ぎたいですネ

 日本では昔から四は「死ぬ」、九は「苦しむ」につながるとして大変嫌がられる数字で、知恵を絞って別の言葉に置き換えてきました。恐らく元々この習慣は中国から日本に伝わったものだと思われます。「するめ」は、昔の商人たちが「(損を)する」との語呂合わせから「あたりめ」に、「なし」が「無し」に通じることから「ありの実」に、「塩」の「し」が「死」につながることから「波の花」に言い換えた例です。このように、その語の意味や連想される物が悪いことから、使用するのを避ける語や、それに替わって用いる語を「忌み言葉」といいます。
 中国では我が国以上に語呂や数字が不吉という理由で、出来れば避けようとするより強い意識を持っています。たとえば中国でも四という数字を車のナンバープレートに使うのは嫌われますが、最近では携帯電話の番号に四が多いと安売りするといったこともありました。
 ここまで言うと四は嫌われる数字だけかと思われそうですが、四が縁起のいい数字になる場合もあるのです。宴会や結婚式のとき、昔はよく「四紅四喜」という熟語が使われました。四喜丸子とは肉団子のことですが、団子は団欒の意味につながり、この場合はおめでたいときの例外の用法となります。
 その他の忌語としては、最近は殆どなくなりましたが、お正月のときに「完了(終り)」や、「没有(ない)」、「破了(破れた)」などと言えば、お年寄りに怒られたそうです。また今は言われなくなりましたが、蒸したお饅頭が「破了(破れた)」ときには、「笑った」と言わなければならなかったそうです。
 中国人が最も縁起のいい数字として好むのは六と八です。六は「流=順調」を意味し、八は「発財=発達」を意味します。「16888(一路発財:ずっと儲かる)」のナンバープレートは競売で27万元(410万円)もの高値になったという記録があるほどです。