敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【中国の忌み言葉】VOL.2

 日本では避けられる九は中国では長生き、長久の意味(久と同じ発音)ですから、よく使われます。とくに皇帝は最もこの数字が好きでした。北京の紫金城に9999もの部屋が設けられていて、毎日違う部屋に泊まったら最後の部屋で目覚めたら27歳になるというのは添乗員が話すお決まりのトークです。では三はどうかと言いますと、日本では駆け付け三杯と言いますが、中国でも乾杯するときまず最初は三杯飲みますので特段嫌われてはいないようです。
 日本人にとって鯛はめでたいもので、鯛の尾頭付きが食卓に並ぶときは家族の誰かをお祝いするときと決まっていました。中国にも同じような習慣がたくさんあります。魚の発音は「余る(余=お金が余る)」、豆腐の発音は「都富=みんな幸せ」、生菜「生財=財を成す」と同じですので、結婚式や宴会などにはよくこのような料理が出されます。
 しかし、最近ではあまり忌み言葉を気にしすぎて堅苦しくなるよりも、祝う気持ちを自由に表した方がいいのではないかという考え方が増えつつあり、古い習慣はだんだん使われなくなってきています。筆者は忌み言葉を避ける優しさや気遣いが美しいのだと思うのですが、こういう考え方はもはや古いのでしょうか。
 古代では言葉に不思議な力がこもっていると思われており、縁起の悪い言葉を使うと本当に良くないことが起こってしまうと考えられていました。筆者もポジティブ・シンキング志向でして、「どうせ」とか「でも」などという言葉を使ったり考えたりしていると、うまくいくことでも失敗してしまうと考えます。
 「できる」とか「うまくいく」と考えてみるだけでも、いい結果が生まれるのではないかと考えていますがいかがでしょうか。