敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【人民幣(お札) 】VOL.1


●現在の人民元。どっちがニセ札でしょうか?

 最近中国の経済成長に伴い、中国の通貨「人民元」の切り上げに関するニュースが頻繁に話題となっています。現行「中国人民銀行」発行の人民幣の表面には中国を代表する14民族の肖像や国家指導者の肖像画を、裏面には中国各地の風景が描かれています。また、1999年6月30日に公表された新紙幣の表面には「毛沢東」の肖像画を、裏面は中国各地の風景と発音記号(ピンイン)「ZHONGGUO REN MIN YINHANG」のほかにウイグル・モンゴル・チベット文字など、漢字以外の少数民族の文字が書かれています。
 我が国ではお札の紙(局紙)を作るのも、印刷するのも、全て財務省印刷局が行っています。印刷局で作られたお札は日本銀行法第四六条により、日本銀行が発行する権利を持っているのですが、お札は印刷局から日本銀行本店を経由して地方の支店に払い出される仕組みになっています。
 訪中したことのある方ならお分かりだと思いますが、中国のお札はなぜあれほど汚いのでしょう。その理由として紙の質があげられます。日本の紙幣は世界一の紙と言われていますが、中国のお札に使われている紙はお世辞にもいい紙とは言えません。次にお札の回収ですが、中国では日本銀行のように人民銀行がお札を回収する仕組みになっていませんので、どうしても機能的に弱いと思われます。またお金の扱い方です。さすがに最近減りつつありますが、お店で商品を購入したとき、おつりを放り投げる店員が多く、筆者以外でも慣れるまではカツンときたという方が多いと思います。
 そして汚れた手でも平気でお札に触るという習慣があげられます。日本ではあまり見かけませんが、お札が油まみれになっていたり、破れたお札でも平気という民族性が考えられます。さらに財布を持っている人が少ないというのもあるかと思います。あんなに汚いお札を財布に入れるのは嫌だという気持ちも分かりますが、これもお札が汚れたり痛んだりする原因だと思います。
            ※正解は「下がニセ札です」