【「可口可楽」(コカコーラ) 】VOL.1
●最近では日本のキャラクターを使用(無断?)してます
以前にも書きましたが、平仮名、カタカナのない中国では、外来語の漢字表記がその都度話題になります。その際、音に合わせた漢字表記にする「音訳」、意味を重視して漢字表記する「意訳」、音と意味の両方を兼ね備えた漢字表記「名訳」があるのですが、なるほどと納得する訳もあれば、爆笑しそうな訳もあり興味深いところです。
音から訳した音訳では、シャープは「夏普」、ロレックスは「労力士(ロリッシ)」、キュ−ピーは「丘比(キュービー)」、ローソンは「羅森(ラースン)」などが挙げられます。スポーツではゴルフ「高尓夫球」、マラソン「馬拉松」、ファーストフード店だと、マクドナルドの「麦当労」、ケンタッキーフライドチキンの「肯徳鶏」、ロッテリアの「楽天利」などが有名です。
次に意味から訳した意訳では、アクエリアスは「水瓶座」、ケミストリーが「化学超男子」、大爆笑なのはV6で「勝利六人組」が挙げられます。コンビニのファミリーマートは「全家」となります。
「名訳」で有名なものとなりますと、シャネルは「香奈児(シャンナイアー)」、ビッグエコーは「必愛歌(ビアイガ)」があります。何となくお分かりいただけるかと思いますが、なかなか発音と意味まで兼ね備える名訳は難しいですよね。最も有名な名訳としてはコカコーラは「可口可楽」があります。音では「カ、コウ、カ、ラ」と発音し、意味は「口にすべし、楽しむべし」になっていて、これはもう見事というべき漢字表記と言えるでしょう。
さてコカコーラは1886年、アメリカの薬剤師・ジョン・ペンバートン博士がアオギリ科の常緑高木「コーラ」の種子からエキス(原液)をつくり、強壮剤として創製するのに水で割るところを、間違えて炭酸水で割った結果生まれた産物です。その後コカコーラは1920年(大正9年)9月1日に初めて日本で発売されましたが、明治屋と満平薬局が共同輸入し、「世界的飲料」という触れ込みで売り出したのですが、当時の日本人には薬臭いと嫌われたとの記述が残されています。
次号では日本でコカコーラを紹介した人と、中国で本家を凌ぐ勢いで可口可楽を売り出した人の話をしたいと思います。
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