【チャイナタウン(中華街) 】VOL.1
●横浜開港当時の中華街(写真右)と現在の賑々しい横浜中華街
海外に移住した中国人は一般的に「華僑」と呼ばれています。仮住まいを意味する「僑」から名付けられたのですが、現地で生まれた二世や三世、今では四世に当たる世代については「華人」と呼ぶのが正しいようです。
華僑という言葉には「成り上がり者」という蔑称も含まれているため、最近では差別用語に抵触するとしてこの表現を避けるメディアも出てきています。
彼らが生活するチャイナタウンとは、世界各地に形成された華人の集中居住地区の総称ですが、「御座一枚、枕一つ」で故郷を後にし海外に移住した華僑がチャイナタウンを形成した背景には、「家族性が強い相互扶助のネットワークを中核とし、世代間で技術・伝統・知識が継承される場所」との強い意思があったと思われます。
しかしながら近年は再開発が進み、チャイナタウンそのもののビジネス化や金融化、観光地化が進んでいます。その理由は、日本人観光客を商売の主なターゲットにしている点、次に立派な碑楼を建築している点、そして来客総数が非常に多い点、この3つを柱として時代の変化に適応しながらチャイナタウンが発展してきたのだと思われます。
日本にあるチャイナタウンで最も規模の大きいのは、横浜市山下町一帯にある「横浜中華街」です。140年以上の歴史と約0.2平方キロのエリア内に500店舗以上もの規模を誇る、アジア最大の中華街です。神戸南京町、長崎新地唐人街とともに「三大中華街」とされています。
その中華街を横切る路地は華僑の出身地から命名されることが多いため、例えば天安路、上海路、中山路、福建路など、「この辺りは○○出身者が多いな」という風に一目瞭然です。
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