敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【月光族】VOL.2

 
●上海・新天地のライブハウス「ARK」。月光族で連日の賑わう。

 では月光族の収入の使い道についてですが、39パーセントが「洋服代と美容・フィットネス」と答え、その目的は「自分を癒す」、もしくは「自分への投資」などと考えています。また都市部でのマンション購入という女性もいて、32パーセントの女性が「部屋代」、そのほかには自動車ローンに多くの支出をあてているようです。
 中国では日本で言う団塊の世代と言われる50歳代の人たちは長年勤務した国営企業が廃業になったり、民営化によってリストラされたりと、非常に厳しい状況にあります。逆に最も経済力を持っているのは30代から40代で、専門職に就いている高学歴者や海亀と呼ばれる留学帰国組、さらに起業家などが裕福層と言われています。
 彼(彼女)たちは、一人っ子政策の影響で、常に自分が優先された環境に慣れ育った「小皇帝、小女帝」たちであるため、親の世代の考えである「将来に備える」という中国の伝統的生活理念は全く無縁だそうです。
 月光族が求めるものは「目先のお金とワンランク上の生活」のようです。月光族はお洒落な店、カフェ、高級レストランなどで消費活動をするため、必然的に昼より夜の消費比重が高くなり、その結果「月光経済」という経済用語まで生み出しました。実際、連日多くの富裕層が集まるライブハウスには、毎晩のように月光族が訪れ、多額の消費があるようです。
 今後中国経済成長において牽引者となるであろう彼(彼女)らは、これからも消費市場を牽引していくと思われますので、まだまだ中国の経済成長は続きそうです。