敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【春節2】VOL.2


●中華街の獅子と龍の舞

 朱元璋(1328年10月21日〜1398年6月24日、在位30年)は提唱というより命令で、都を南京に定めてからは、公卿士庶すべてに対して「門には一対の春聯を貼るように」というお触れを出し、さらに自らお忍びで確認するため市内を見て回ったそうです。朱元璋はまた「文字の獄」と呼ばれる大弾圧も行いました。「光」や「禿」などの文字を用いれば、洪武帝がその昔僧侶であった過去を揶揄したとして殺されました。
 また盗賊と思われることから「盗」と同音の「道」の字を使った者も殺されました。恐々とした役人や文人は都から離れることも許されず、さらに能力のある者は官吏として半強制的に登用されました。
 さて、中国、とくに農村部や日本でも中華街において春節を祝う行事と言えば、ドラや太鼓競、そして獅子と龍の舞などは、新春気分を盛り上げる目玉となっています。
 ドラや太鼓競、獅子と龍の舞は中国の民間伝統娯楽で、「除夕」といわれる大晦日から春節期間の約15日間、街じゅうに響き渡ります。中国の獅子舞は「駆邪と降福」の象徴で、龍と獅子の恐ろしい頭部は邪気や悪を追い払うと言われていて、古代中国社会の封建的風土の残る農村の生活風俗に大きく影響を与えた神事でもあり、春節には欠かせないものとなっています。
 神戸市の南京街で毎年開催され、地域無形民俗文化財に指定されている「春節祭」では、中国雑伎、中国舞踊、京劇、太極拳、中国歌謡・演奏、獅子舞・龍舞を始め、多くの屋台と観光客で賑わいます。
 地元のドラ・太鼓隊による演奏や、7人から10人ぐらいの同じ装束をまとった獅子舞を生で見ましたが、クライマックスになると耳をつんざくような爆音とともに街じゅうを巡回して熱狂的な気分になります。
 毎年立ち寄ってはあの人混みをみて後悔している筆者です。