敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【寵物熱潮(ペットブーム)】VOL.1


●北京市内にあるペットショップ

 最近の中国は空前のペットブームに沸いていて、上海市中心部では商店街には必ずと言っていいほど2〜3店のペットショップがあるのですが、さらに一週間に一店のペースで急増中だそうです。北京も同様にペットショップを増えているようで、連日マイペットが物色する人たちで賑わっています。このような人たちのほとんどは、ペット症候群ともいうべき富裕層だそうです。
 ある調査によると、ペットショップが急増する理由として、昨今の経済成長にともない、とくに都市部の一般市民に金銭的な余裕がでてきたこと、そしてやはり一人っ子政策の影響もあるとしています。兄弟のいない子どもや遊び仲間のいないため一人っ子のために、親がペットを買い与えたり、逆に一人っ子が独立してしまったために寂しくなった老夫婦が飼うことも多いようです。さらにストレスの多いシングルがステータスシンボルとして飼ったり、キャリア志向の強い若い夫婦が子どもの代わりに飼ったり、と様々な理由でペット購入に走るようです。
 ペットがいると世話が大変ですし、旅行に行くのも難しくなるため、筆者などは20年以上ペットを飼っていませんが、最近の中国ではペット用にホテルまで出来ていて、宿泊代は人間並みの一泊200元(3,100円)から300元(4,650円)もするそうです。このような状況に呼応する形で、ペット専用の食料品店、病院、美容院なども増え、北京のペット産業は一二億元(約一八六億円)規模だとも言われています。
 ペットのうち最も多いのは犬で、正式な登録数だけで53万5,000匹だそうです。ペットブームになったもう一つに理由として、かつて4,000元(約62,000円)もした登録金が、今では2,000元(約3,100円)まで下がったことも考えられます。一般市民平均月収の約3分の1強にもなりますので、実際には登録せずに犬を飼っている人が多いようです。
 次号では毎年増え続ける狂犬病の対策に頭を抱える政府と現状についてお話ししたいと思います。