敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【寵物熱潮(ペットブーム)】VOL.2


●ペット用品屋さん。最近のお犬様は恵まれています。

 もし飼い犬が未登録であると発覚した場合は、罰金として200元から1,000元(約3,100円〜15,500円)程度の徴収があるそうです。一昨年、北京市公安局治安管理部門は「養犬管理執法隊」を組織し、未登録犬を容赦なく没収したそうです。
 今では全国にまで広がりつつあるペットブームですが、格差社会の象徴として「ペットに要する年間支出と貧困層の低所得とを並べる」指摘や、「都会に溢れているペットによって市民の迷惑になっている現状」も浮き彫りになっています。最近では子どもを持たずにペットを飼う人や、雄雌ペアで飼う人もいるようですが、しつけまで行き届かず、市民のひんしゅくをかっている事実もあります。
 そして深刻な問題は、ペットが増えたことで、例えば犬に咬まれる被害、また狂犬病の患者数が増えていることです。ペットブームに火がついたといわれる2003年以降、報告のある分だけでも毎年約2,000件を超える発症例があり、政府は狂犬病対策として、飼い犬の登録制度を整備し、ワクチン注射を推進しています。ただし、罰金が安いため、なかなかワクチン接種が進まない状況にあるようですから、みなさんも訪中の折に犬を見かけたらあまり近づかない方が賢明のようです。
 ペットは可愛いらしく、家族同然ともいえますが、一緒に暮らしたペットが亡くなると、深く悲しい思いから「ペットロス症候群」にかかる人もいて、回復するのに相当の時間を要します。筆者が犬を飼えないのは20年以上前の永久の別れがいまだにあるからです。