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【ニセモノ被害】VOL.1
●昔は通り(左)だったのに、今では近代ビルです。
日本貿易振興機構(ジェトロ)北京センターの中国進出日系企業のニセモノ被害アンケート調査によると、中国では模倣品が多く製造されている事実を実感することが出来ます。今や日中間最大の通商問題となっている「ニセモノ」をはじめとする中国の知的財産権侵害は、WTO加盟後もその勢いは翳りを見せるどころか、ますます拡大傾向にあります。模倣品は、正規製品の販売減少に繋がるだけでなく、企業そのものの信用失墜にも繋がりますから看過することは出来ません。
北京にある模倣品市場として有名だった「秀水街」は、その表通りにあるビル入口を基点に長さ300メートルほどの路地があり、その通りの両側に小さな店や露天が所狭しと衣料品や偽ブランド服、またアクセサリーなどを並べる青空市場でした。本物のブランド品よりはるかに安く買えることから外国人観光客が多く、筆者も体験のために数回訪ねました。かなり詳しい人でないと見破れないようなレベルの高い偽ブランドもあり、いつの間にか秀水街と言えば"ニセモノ物専門店"という不名誉な称号を得るようになりました。
現在の秀水街は、北京市の中心部「長安街」の東側に真新しい七階建てビルになり、そこに1,000店近くの衣料品専門店を移転させました。ここでは中国独特の伝統産品を販売するよう奨励するため、経営者たちに3,000万元(四億6,500万円)を拠出して「知的所有権保護」の基金を作り、テナント支援をしているそうです。
また積極的な知的財産権保護に取り組む店にはテナント料の減免措置まで行っているそうです。筆者はどうせ国際的非難を免れるための一時的奇策だろうと考えていたのですが、目に余る偽ブランド販売防止や知的財産権の保護について、中国が国を挙げて取り組むシンボル的政策だったようです。
次号では、一昨年我が国で驚くべき発見のあったニセモノ作りについて、決定的証拠を元にお話しいたします。
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