敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【失業と下崗(一時帰休)】VOL.2


●攻撃される日本車とコンビニ羅森(ローソン)

 中国政府が公式発表した数字によると、2003年の都市部の失業率は4.3パーセント、2004年には4.7パーセントと報告されています。しかし、国家調査チームが北京市、上海市、広東省、湖北省の政治実績報告に対して再審査後公表した資料によると、実際の失業・下崗率は、北京市で11.5パーセント、上海市で18.5パーセントという驚異的な実情になっています。
 これを労働環境の厳しい農村部や女性労働者にスポットをあてると、中国の就業環境はさらに厳しいと言えます。女性の場合は、育児休暇を終えて職場復帰しようとしても、自分の居場所がもうないというケースも多々あるようです。女性団体や女性問題研究者は、「中国がまだ発展途上国であること、夫一人の収入で家族を養えないこと、女性が「婦女回家(家庭に入る)」すると経済的自立を失い、女性の発展に非常に不利益である、との理由を挙げて猛反対しています。
 文化大革命期に流行した言葉に「龍生龍、鳳生鳳、老鼠養儿会打洞」があります。直訳は「龍は龍を生み、鳳凰は鳳凰の子を生む。ネズミの子はうまく穴をあけることが出来る」ですが、要するに父母に権力や財力があれば、その子供は恩恵を受けるということです。つまり、「血縁重視」の伝統が再び蔓延しており、優秀な卒業生でも「卒業即失業」となる深刻なケースが発生しています。
 給料がよく、ステータスにもなることから一番人気は外資企業・中外合資企業、次に国家機関・事業単位・国有企業ですが、「就職さえできれば給料はいらない」という名言に象徴されるように、大卒の就職難や学歴価値暴落は国民的問題となっています。
 行き場のない学生や若い失業者が反日運動などに駆り出される姿は痛々しく思えてなりません。