【第29屆夏季奥林匹克運動会(北京オリンピック)】VOL.2
●総工費は35億元の北京国家体育場「燕の巣」。
競技に使用された施設45箇所(北京市内は37会場)のうち、22会場は全くの新設でした。全体で44パーセントにも及ぶ施設が北京市北部にあるオリンピック公園に集中していて、アクセス面ではかなり便利になっています。今後、五輪公園として新たなスポットになることでしょう。注目すべきはメインスタジアムとなる国家体育場「鳥の巣」を始め投入された公共投資額は2904億元(約4兆6,000億円)にもなるそうで、中国が国家レベルで推進した五輪関係工事費用の原価を焼却出来るのかという専門家の疑問も上がっています。
一部の専門家によると、インフラ整備の充実による経済効果を得るとともに、観光収入の増大、さらに北京市民の民度を先進諸国化させるという「一石三鳥」を目論んでいるという指摘もありました。実際に北京オリンピックに伴う広告収入は確定分だけでも既にアテネ大会の三倍にあたる15億ドル(約1,800億円)を越えたそうで、商業ベースにおいて史上最高額のオリンピック開催成功国になったと見られています。
ただし、中国が本当に注目すべきなのは経済効果面ばかりでなく、韓国がオリンピックを機会として「真の民主主義」に転換し、国際社会におけるグローバルスタンダードを本格的に受け入れたことだと思います。
北京オリンピックとその後に開催される多くの国際行事で中国が本当の成功を収めるためには、まだまだ解決すべき問題として、環境汚染・食品の安全性・言論の自由など、各分野において未だ多くの問題が山積みである現状を認識し、真の民主化に向う必要があると思います。
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