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【中国2010年上海世界博覧会(上海万博)】(VOL.1)


●上海ではあちこちの万博の看板が設置されています

 2010年5月1日から10月31日の約184日間開催される、中国初の総合博覧会「上海世界博覧会」が活気づいています。万博は1851年ロンドンで第1回展が開催され、1928年にはパリを中心に国際展覧局が設立されました。
 すでに150年を越える歴史を持つ万博ですが、総合博覧会は5年に1回の開催になっています。日本では大阪・吹田市で開催された1970年の万博が衝撃的で、日本中の国民が狂喜乱舞しました。最近では2005年春の愛知万博「愛・地球博」が大成功を収めたのが記憶に新しいところかと思います。
 上海万博のテーマは「都市、生活を更に美しく(城市、譲生活更美好:Better City Better Life)」になっていて、万博史上初めて「都市」をテーマに据えています。現時点で2010年の上海の1人当たりのGDPは1万ドルを超えると予想され、上海に関してはすでに先進国レベルにあると専門家は評価しています。
 ただし、目覚ましい経済発展を遂げつつある中国が抱える人口問題、都市部と農村部の経済格差問題、環境問題などが表面化しているなか、中国伝統文化と西洋文化が融合してきた上海で万博が開催される意義は大きいと言えるでしょう。
 海の中心を流れる黄浦江中流の両岸、上海の街の東西を結ぶ南浦大橋と盧浦大橋に挟まれた浦東・浦西地区の400kmを会場とする「上海世博園」の設計者はフランス人建築家が選ばれていますが、想定される参加国は世界200カ国、及び国際組織が出展予定で、入場者数となると最大で7,000万人、直接予定投資額は約30億ドルと、かつてない大規模な総合博覧会になるようです。
 次号では現在進行形のプロモーションの模様などをご紹介したいと思います。