敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【大熊猫(ジャイアントパンダ)】VOL.1


●人間も見習わなければなりませんね

 
 今年4月30日、上野動物園のパンダ「リンリン」が慢性心不全により死亡(22歳)、最大5頭も飼育されていたパンダが居なくなりました。その後、胡錦濤中国国家主席が日本にジャイアントパンダ2頭を貸与すると表明しましたが、高額なレンタル料金に加え、費用対効果の上でも疑問が多く、上野動物園に直接、抗議ポスターまで貼られる始末となりました。
 さて、日中国交正常化35周年を迎えた2003年、日本で初めて双子のジャイアントパンダ「隆浜」「秋浜」が生まれました。そして昨年9月、その隆浜、秋浜は満4歳を迎え、母親「梅梅」の故郷である中国・四川省成都中国に帰国しました。和歌山県アドベンチャーワールド・パンダランドでは連日「元気でね!隆浜・秋浜おやつタイム」と題していろいろなイベントが行われました。
 ジャイアントパンダは日中国交正常化を機に、中国から上野動物園に康康(カンカン)、蘭蘭(ランラン)の2匹送られたのが最初ですが、その愛くるしさから多くの国民が長蛇の列を作って見に行ったものです。2匹のパンダの来日は、集客力を持つ人気者を「客寄せパンダ」と呼ぶ造語まで作り出しましたが、最近では内実が伴っていない場合や否定的な意味で使われることが多くなってしまい、さぞや康康、蘭蘭も怒っていることでしょう。
 現在、中国ではパンダの密猟は死刑とされていて、実際に処刑(主に銃殺刑)が行なわれていましたが、1997年に法改正によって、密猟は懲役20年に減刑されました。パンダは基本的に一年に1回、3〜6月の間、3日〜1週間程度の発情期を迎えますが、その僅かな期間に妊娠し、その度1〜2頭を出産します。現在確認されているデータによると、施設センターなどで飼育中のパンダが217頭で、それを除けば世界中に生息する野生ジャイアントパンダはわずか1590頭しかいないそうで、その大半は中国の四川省と陝西省に生息しているそうです。 しかし、生息地域だった土地の開発が進むにつれて、パンダが孤立する傾向が進んでおり、繁殖期になっても交尾の相手が見つからなかったり、パンダの食物である竹が数年に一度一斉に開花して、そして枯れてしまうため、その時期になると竹にありつけず餓死してしまうケースもあるそうです。