【大熊猫(ジャイアントパンダ)】VOL.2
●生まれたての赤ちゃんパンダ
昨年、四川省成都市で開催されたジャイアントパンダ繁育技術委員会による「第18回ジャイアントパンダ繁殖会議」では、日本、米国、香港、オーストリア、タイなど世界8ヶ国から約80人の動物保護団体スタッフや飼育専門家が集まったそうです。
会議後に発表された年次報告によると、今年全世界の関連施設で31頭のパンダが誕生したそうで、うち25頭が元気に育っているそうです。そのうち24頭のジャイアントパンダが双子だったそうで、その割合は全体の約6割と、過去最高の出産ラッシュになりました。
双子パンダの誕生が増加したのは、着実に進歩しつつある繁殖技術はもちろんですが、遺伝子要素も大きく関わっていると専門家は指摘しています。80年代末より約40パーセント増えたのはこのような努力の賜物と言えるでしょう。日本でも飼育センターでの研究や人工授精など繁殖への熱心な取り組みが行われていますが、森林伐採や密漁などによって、ジャイアントパンダをはじめとする貴重な野生生物の保護問題、そして秦嶺山脈で暮らす人々の生計をどう立ててゆくのか、今後の大きな課題となっています。
10年程前、中国科学アカデミーではクローンパンダをつくる試みを行いましたが、クローン技術によって野生パンダを救うと広く注目を集めました。しかし、秦嶺山地に生息する野生のジャイアントパンダは、飼育パンダに比べて繁殖率が高いことが判明しています。
つまり、野生パンダの生息地さえ保護すれば、個体数は自然増加するということです。これぞ本末転倒な話ですね。
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