敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【対日新思考外交】VOL2


●天皇皇后両陛下が出席した晩餐会

 前国家主席の江沢民氏や周辺強硬派は、歴史問題、靖国問題を挙げ、政争の具として小泉首相(当時)の靖国参拝をきびしく批判し続けました。
 しかし、対日重視派の胡錦濤政権は前江沢民政権の強硬派とは大きく異なっています。2002年には日本を経済大国の一つと認識し、その関係を重視する方が中国にとっても有益とする「対日新思考」を胡錦濤政権の意向として発表しました。
 対日強硬論者や人民解放軍からは「軟弱外交」と非難されましたが、胡錦濤政権が発足してからは、歴史問題で日本への厳しい言及は控えています。一昨年の温家宝首相来日の際は野球や田植えなどを体験する「微笑み外交」、そして昨年の胡錦濤国家主席の「暖春の旅」でも目一杯の「新思考外交」を繰り広げ、日中の戦略的互恵関係の新しい局面を切り開こうとする姿勢を見せました。
 しかし、これら問題を山積している大変な最中に起こった四川省大震災、未だ被害と復興に要する膨大な時間と資金、また、北京五輪後の経済についても困難な問題が山積しており、死してなおその影響力を発揮する故・ケ小平の「日本に学べ」は、まさに現代中国のキーワードとしての「遺言」となっているのかもしれません。