敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【牡丹花】VOL.2


●牡丹花(写真左)と葛飾北斎画「牡丹に蝶」

 昨年、瀋陽市園林科学研究院で、樹齢70年を迎える牡丹の模様を伝える報道がありました。北方で70年もの長期間多くの花をつけるのは大変珍しいそうで、5月3日より200ほど開花したそうで、同研究院ではギネス記録への申請を検討しているそうです。
 昔は牡丹と言えば、種からの栽培しか出来ないことから、文字通り「高嶺の花」と呼ばれましたが、戦後、芍薬を使用した接ぎ木が考案され、急速に普及し、今では鉢植えや台木苗という形で市場に出回っています。
 種類も増え、「春牡丹」は4月から5月にかけて開花する一般的な品種、ほかに春と秋の二季咲く「寒牡丹」、1月から2月に開花するよう品種改良した「冬牡丹」があります。また牡丹は漢方薬としても活躍しており、根の樹皮部分は漢方薬の原料として、「牡丹皮」という名称で、大黄牡丹皮湯、六味地黄丸、八味丸などに用いられています。日本でも薬効成分「ペオノール」は、消炎・止血・鎮痛などに効能があり、薬局で取り扱われています。
 牡丹は、現代中国においても、「和平」と「幸福」、そして「富貴」の象徴として広く国民に愛され続けています。