【掃晴娘(てるてる坊主)】VOL.2
●ご存じてるてる坊主
てるてる坊主は、吊すときには顔を描かない状態で、願いが叶って晴れれば、お礼として顔に目鼻口を書いたり、頭から酒をかけて清めてから川に流したそうです。てるてる坊主を逆さに吊したり、黒いてるてる坊主にすると、雨乞いになるという地方もあります。
また、てるてる坊主は「軒下」に吊すのが主流ですが、「難を転じる」という語呂合わせから、南天の木に吊す地方もあります。大陸と向き合う山陰地方は、
日本形成期を覗わせる神話が数多く残っている地域です。 比較的雨の多い山陰の鳥取県は、かつては伯耆国(ほうきのくに)と呼ばれ、鳥取県北条町では、今でも「掃晴娘」型紙人形を吊るすという風習が残っています。
さて、てるてる坊主といえば誰でも知っている、大正10年発表の童謡『てるてる坊主』があります。童謡の作者浅原鐘村(六郎)は1895年(明治28年)に長野県安曇野の造り酒屋の四男として生まれ、雑誌『少女の友』の編集をしていた大正年間の20歳代にこの名曲を作詞しました。
もともと4番まであった歌詞の1番がいつの間にか無くなったようですが、三番の歌詞「それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ」という脅迫にも似た残酷な内容は、まるで戦国時代の織田信長も真っ青の「信賞必罰」ぶりです。
これに対して中国版「てるてる坊主」の歌詞を紹介します。
老天爺 別下雨 天の神様、雨を降らせないで
蒸了饅頭 往上挙 饅頭蒸したら、あげるから
老天爺 別刮風 天の神様、風を吹かせないで
蒸了饅頭 往上★ 饅頭を蒸したら、あげるから
早く梅雨明けしませんかねぇ。
★(手偏に乃)投げるという意味
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