【2010年「庚寅」】VOL.2
●上海博物館蔵「亀甲獣骨文字(牛骨に刻まれた甲骨文字)」
そもそも十干は、陰陽五行説に基づいて「木・火・土・金・水」の五行と、「陰・陽」、つまり「兄(え)と弟(と)」に分けたものです。木(き)は甲・乙、火(ひ)は丙・丁、土(つち)は戊・己、金(かね)は庚・辛、水(みず)は壬・癸になります。
「えと」は「兄」の年と「弟」の年が交互に繰り返されることから名付けられましたが、十二支にも陰・陽があり、子・寅・辰・申・午・戌が陽、丑・卯・巳・未・酉・亥は陰で、陰陽が交互に割り当てられています。
古代中国では、木星の運行を目安とし、約一二年で天球が一周することを発見したことから、天球を天の赤道帯に沿って西から東へ一二に分け、それぞれに名前を付け、一年を12ヶ月という暦にしたのが十二支の始まりといわれています。
さて、関西では節分の日に、その年の縁起のいい方角を「恵方(えほう)」に向って、寿司の太巻きを丸かじりするという風習があります。
恵方とは、その年の歳徳神(としとくじん)が降臨する方向で、立春から節分までの一年間、あらゆることが大吉となる方位を意味します。古くは正月の神の来臨する方向を指していたのですが、九星術が流行してから現在のような意味になりました。
恵方は十干に基づいて決められていて、2010年は、庚寅(かのえとら)の方位(西南西やや右)になります。
新しい年もみなさまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
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