【中国のニセ札問題】VOL.1
●(写真左) 文具店で販売されているニセ札検知器
(写真中) こんなブラックペンで巧妙なニセ札が分かるんでしょうか。
中国では2002年以降、100元紙幣のような高額紙幣だとチェックが厳しいことから50元、20元、10元のニセ紙幣までもが出回るようになりました。よく中国のスーパーなどで買い物をすると、レジの人が簡易ニセ札鑑定機とでもいうようなブラックライトを使ってお札の鑑定を行いますが、それほどニセ札流通は身近なことなのです。ニセ札チェックの標語に「一看、二摸、三聴、四測」があり、「看」は目で見る。「摸」はなでる。「聴」は音を聞く。「測」は機械で検査する、です。
それでも中国当局の懸命な捜査により、ニセ札販売を行う犯罪グループが摘発され、ニセ札も度々押収されるようになってきました。ところが、昨年あたりからは、広東省、福建省、浙江省、四川省などを中心に、紙幣管理番号「HB90」や「HE90」、それらより質の高い「HD90」から始まるニセ紙幣が大量に発見されるようになりました。
報道によるとこれらのニセ紙幣は台湾から漁船で福建省経由、もしくは香港経由で大陸に流入した可能性が高いようです。なんと工場4箇所を保有し、スキャニング、製版、印刷、加工など専門技術を持ったメンバーが分業し、優れた製造技術・能力を保有していました。すでに昨年末、ニセ札を密造・販売していた6人が逮捕され、額面一億元(約13億円)のニセ人民元を押収しましたが、驚くことにこれらのニセ札は検査機でも判別できないほど精巧な作りだったそうです。人民銀行も各行へ鑑別機のバージョンアップと、徹底した検査で被害を未然に防ぐ努力をしているようです。
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