敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【旗袍(チャイナドレス)】VOL.2


●1930年当時の旗袍広告

 文化大革命時代、旗袍や洋服は封建思想や資産階級の意識の表れと見なされ、流行や個人のファッションなどは全て否定されました。社会的に個人の自由は抑圧されましたが、80年代に改革開放政策に転換されるや、旗袍はまたもやその立場を復権する展開を迎えます。
 また、上海市婦女連合会と美術家協会が、共同でファッション展示会を開催し、この展示会によって、美しい、お洒落な衣装を着ることが、再び当前のことように国民に受け入れられるようになり、旗袍は旧時代的イメージから完全に脱却したのです。
 現代旗袍のデザインは、実用的でお洒落、そしてエキゾチック、さらに安くて良質の旗袍が次々と市場で発表されるようになり、一種の工芸美術的な展開を見せています。中国の長い歴史に育まれた東洋の美として、チャイナドレスの持つ高級感、優雅なデザインは、今では海外からの観光客の代表的なお土産として不動の人気を誇っています。
 また、若い女性の間で「女衫」と呼ばれる、裾が膝丈の単(ひとえ)で、裾の両脇の開いた夏服も人気があるようです。
 経済発展とともに、世界で中国の存在感を示すべき、政治、文化、経済、それらの国際的なステージでは、現代旗袍が礼服として、さらにその存在感を示し続けることでしょう。