敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【八仙】VOL.1


●歌川国芳画「七福神(MIHO MUZEUM蔵)」

 日本は一月が新暦のお正月ですが、中国は今でも旧暦で「春節」という、一年で最も派手で大切な行事であることはみなさんもご存知だと思います。このおめでたい時期に登場する仙人、日本では恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋の七福神が有名ですが、昔から、正月は枕の下に「七福神の乗った宝船の絵」を入れておくと、良い初夢が見られると言われています。
 日本で仙人と言えば、「白髪に白く長い髭、杖をつき、霞を食って生きている」、といった印象を持たれている方が多いと思います。中国の仙人と言えば八仙が最も有名で、李鉄拐(りてつかい)、漢鍾離(かんしょうり)、呂洞賓(りょどうひん)、何仙姑(かせんこ)、張果老(ちょうかろう)、藍采和(らんさいか)、韓湘子(かんしょうし)、曹国舅(そうこくきゅう)の八人で、それぞれが神通力を発揮する法器を所持しています。
 このなかで日本の仙人の印象に近いのは張果老くらいで、残る仙人は全く違います。仙人いってもこの八人、豪華な衣装と貧しい身なりの仙人、老人と若者、男性と女性など、組み合わせがバラバラです。しかし、それが不思議な一体感を醸し出していて、なんとも言えないキャラクターになっていますなぜ八仙と称する一団が形成されたのかは不明ですが、現在の八仙にメンバーが定着したのは明末になってからのようです。