敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【色】VOL.1

 中国をイメージする色といいますと、おそらく多くの方が「赤色」を思い浮かべることと思います。実際に中国の国旗には赤色がベースに用いられていますし、中国共産党のシンボルカラーも赤色です。民家の装飾にも、その多くに赤色が使われていますし、お皿など日用品にも赤色が使われています。
  中国で最も人気のあるバレエの演目も「紅色娘子軍」。歴史的事変についても、「赤眉の乱」や「赤巾の乱」など、反乱や戦いの標識に赤色が登場しております。

● 煎紙(左)黄金萬両と、(右)招財遊寶

  では一体赤色には一体どんな意味があるのでしょうか? 実は中国では、古代より赤色は悪魔を遠ざけ(魔よけ)、福を呼ぶ力(招福)があると信じられてきたようです。民家の門に「春聯(しゅんれん)」と呼ばれる赤いお札を貼ったり、「剪紙(せんし)」と呼ばれる切絵が窓や壁に貼ったりするようになったのも、やはり幸せを願う気持ちからなのです。
  今号では色についてお話してみたいと思います。 赤の次は白色です。日本では「純白」や「潔白」など、清潔やきれいといったイメージの白色ですが、中国において白色は「葬式」の色です。
  白は「無」を意味し、「死」のイメージなのです。中国の女性に白い花をプレゼントすることは、日本人に菊の花をプレゼントするようなものです。白はお葬式のときと覚えておいてください。
  余談ですが、中国のお葬式の正装、つまり喪服は白い服で参列するのが基本です。さらに話は脱線しますが、中国のお葬式には赤や紫、黄や青色の装飾を施し、トランペットや太鼓による演奏を行い、最後にお金を払って雇った≪泣き屋≫までもが登場して派手に泣き暮らします。
  日本とは大違いのけたたましいお葬式ですが、これにもやはり理由があります。お葬式に多くの参列者を呼び、派手な演出を行うことは、喪主や遺族の体面や面子をアピールするためのものとなっているわけです。筆者にはただの見栄っ張りとしか思えないんですけどねえ。
 次号ではさらにいろいろな色についてお話したいと思います。お楽しみに。