【四神思想】VOL.1
● キトラ古墳の壁画(左上から青龍、白虎、朱雀、玄武)
中国大陸はヨーロッパ全体を包んでもなお余りあるほど広大な国土面積を有しています。この広大な中国で生きた民族は、時代の変化に適応しながら豊かな文化を生み出してきました。
中国の思想や文化は、中国だけでなく、古くは朝鮮半島や日本に住む人々の思想や生活にも大きな影響を与えてきました。ですから、中国の思想を考えることは自分たちの足元を見つめると同時に、中国人の考え方を理解する助けにもなります。
中国には古くから天文・暦法にもとづいて行われる「四神思想」があります。北極星を中心とした外角の星座を、方位別に東宮、西宮、南宮、北宮に分け、またそれぞれを青龍、白虎、朱雀、玄武と名づけました。
戦国時代から秦・漢時代に定型化したとされるこれら四つの鳥獣は、宇宙を護る象徴として、四霊とも四神とも呼ばれ、邪悪を退け、呪的な神秘的な持つ信仰の対象となりました。架空の霊的鳥獣を四方に打ち立て、外敵や悪霊から身を守るという易学的な神霊思想だとも言われています。
出土した銅鏡、瓦當、画像石、墓室内壁画、などにも四神の肖像は取り入れられ、それらの文物などから四神思想は立証されてきました。
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