敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【四神思想】VOL.2


● ご存知「風水盤」

 日本でも古墳の壁画や鏡、装飾品などにも絵に表された四神が出現しています。最も有名なものに、奈良県明日香村の高松塚壁画古墳やキトラ古墳がありますが、708年の「続日本記」に、元明天皇遷都の詔として「四禽」の明記があり、そこには大宝元年(701)正月元日、元明天皇遷都の詔「四禽」の条に、「朝賀の儀式に烏形の幢、左に日像・青竜・朱雀の幡、右に月像・玄武・白虎の幡が立てられた」と明記されています。
 そして四神思想を元に、風水でも理想的な環境と言われた四神相応の地として奈良の「平城京」が、そして「平安楽土」と見なされた平安京が選ばれたのです。
 余談ですが、現在の平安神宮の大極殿の東側には「蒼龍楼」、西には「白虎楼」が、本殿東にある中神苑は「蒼龍池」、西神苑は「白虎池」の名称がつけられています。このように、風水思想などの元となる陰陽道や陰陽五行説にならって、信仰とのゆかりは極めて密接な関わり合いを持っています。
 脱線ついでに、朱雀は鳳凰、白虎は麒麟という説もあります。そして玄武は亀と蛇が合体したような動物ですが、この玄武が後に日本に伝わり、「鶴は千年、亀は萬年」の亀になったと言われています。