敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【「虚偽」と「善意の嘘」】VOL.2


● 善意の嘘と言えば、映画「至福のとき」ですネ

 ところが、この手の嘘は自己主張の強い中国人から言わせれば「虚偽」となります。料理の味覚、洋服のセンス、そういったところにも「全く同じ意見であるはずがない」と異論を唱えます。このように、日常生活から自分の感覚に正直で、違う物に対して正当な「異議申し立て」を平気ですると議論となり、その結果、衝突も避けられなくなります。
 しかし、中国ではこんなことは日常茶飯事で、口角泡を飛ばす激論が終われば、何事もなかったかのように平然としています。日頃からそういう意識で生活していると、虚偽や作り話をするという意識も日本人とはまるで違ったものになると思います。
 ところが中国人の場合は、これとは真逆で、「人間関係」や「貸し借り」といった関係がある場合、また、その場で正直に言って破綻するよりも長期的に捉えて対応した方が得策と考える場合、平然と嘘を言ったり、作り話の出来るクレバーさ、メイクセンスをも持っています。
 そういったところは、善意の嘘を理由に事勿れ主義によるファジーな関係を続ける日本人とは微妙に違っていて面白いところです。