敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【画像石】VOL.2


● 劉柱陵墓塞石刻銘原拓

 司馬遷は父・から託された「史記」執筆を果たすべく、愚直なまで信念に忠実に生きました。吾王を刺殺した専諸、秦始皇帝暗殺を引き受けた荊軻など、信義を貫いた人物については、わざわざ「刺客列伝」一章を加え、その結果、武帝の不興を買い、ついには宮刑、すなわち男性器を切られる恥辱を受けたのでした。漢代画像石に刺客図が多いのは、漢代の人々に司馬遷の思想や生き様が共感を与えた結果にほかありません。
 文物出版社「書法叢刊(1998年3期)」掲載資料を見ると、篆書・隷書の混在した、書法史上極めて重要、かつ貴重な内容の銘文が含まれています。たとえば1992年に江蘇省徐州亀山発掘調査で出土した「劉柱陵墓塞石刻銘」は、前漢刻石のなかでも字数が多く、その字形は細長く下方へ流れ、筆法には挑法のない力強い、明確な線質です。
 篆書のなかに草書の雰囲気が漂っています。ほかに「延平元年刻銘」は、わずか一年しか実在しない年の資料であり、極めて重要です。極めて豪放で粗雑な隷書でありながら、後漢刻石のなかでも絶品であると言えます。漢代隷書は同じ文字がある場合、その文字を変化させ、重複しないように避ける傾向がありますが、この資料はまさにそのルールに一致した資料として評価されています。
 これら貴重な拓本資料に関しては、小社ホームページでもご紹介させていただいておりますし、今号のハッシー先生の「読んで得する書道雑記帳」の124『茅村画像石題記』も関連した資料として紹介されています。。是非、ご覧いただき、参考にしていただけましたら幸いです。