敬天齋主人の知識と遊びの部屋

敬天齋主人の知って得する中国ネタ

【空巣老人】VOL.2


● 空巣老人、寂しい響きです

 中国には古来より老人を敬う伝統がありましたが、ここ数十年で様相は一変しました。少なくとも数年前までは年老いた親を老人施設へ入所させるのは恥ずかしいこととされていましたが、今では老人ホームは多くなっています。また、都会では豪華な有料ホームも出来ていて、入所する抵抗感も少なくなってきているどころか、老人が入所するのは当たり前のことになってしまっているようです。
 北京などの人口密集地では、政府負担、個人負担、ボランティアサービスによる訪問介護を実施しているようです。老サービス巡視員を採用し、日常の食事や家事、病人看護や、高齢者の気持ちに配慮した各種サービスを行うため、毎日老人を見舞い、どんな要求があるか調べ、関係部門と連絡して解決にあたっているようです。
 "空巣老人の主な問題は"空心"であり、彼らの切実なる要求は精神を慰めるサービスです。生活水準が低く、孤独な生活を余儀なくされたうえ、体力の衰えから農作業も困難で、病気になっても面倒を診もらえる身内が近くにいない状況は深刻と言えるでしょう。
 国レベルでの対策が急務のようです。